オリジナル小説 #7
想い
「ひゅうが、、、。」
つい、口から漏れてしまった。双葉さんはひゅうがが、双葉さんのことを知らないから普通の顔をしている。
僕は、焦った。なにをどうしたらいいかわからなくなっていて、真っ白だった。
「よぉ、りょうた。」
こみあげてくる何かを抑え、全力を振り絞っていったように聞こえた。
「なんで、ここにいるんだ、、。」
俺は、頭に浮かんだ疑問がぽろっと出てしまった。
「お前が、今日帰れないっていうから他のやつと帰ろうと思って誘ったんだけどそいつが部活で終わるまで教室で待ってようかなって思ったんだ。でも、邪魔しちゃ悪いから別のところいくわ。」
そうやって、少し笑顔を作りひゅうがは言った。
僕は、待ってと引き止めたかったができなかった。ひゅうがは、泣き崩れそうになっていた。だから、早く人気のないところに行きたかったのだろう。
「おう、わかった(笑)」
と、僕も精一杯振り絞って言った。
そのあとは、もう覚えていない。焦りが止まらなくてずっとどうしようか迷っていた。
家に帰ってから、自分のご飯を作ってお風呂に入って着替えたその時だった。
~ピンポーン~
誰かが来たようだ。僕は、なんとなく誰が来たかは察していた。
ドアを開けたら、予想通りひゅうがだった。
「少し近くの公園で話さないか?」
そう言われた。僕はとにかく謝りたかったのですぐに行くと返答した。
そして、公園に向かう。僕らは一切話すことなく、お互いの足音と虫の鳴き声だけが響いている。
僕は、そろそろ公園につきそうなところでひゅうがに謝った。
公園についてから、言えばよかったがそんなことはできなかった。1秒でも早く言いたかったのだ。
「そうかそうか。わかった。俺たち親友だしな。」
僕はその言葉を聞いてホッとした。ありがとう、と言おうとしたその瞬間だった。
ひゅうがが、口を開いた。
「と、でも言うと思ったか?(笑)」
僕は無意識に、
「え、、。」
と、心の声を漏らしてしまった。そして、公園にちょうど着いた。
僕はひゅうがが、公園の目の前で立ち止まったので下がっていた顔をあげてみた。
そうすると、そこにいたのは5、6人の不良達だった。
そしてひゅうがはニヤリと笑い、
「公園着いたぜ(笑)」
と言った。
僕は、ひゅうがと一緒に公園に向かって行った