オリジナル小説 #6
「想い」
僕は、驚いた。正直信じることが出来なかった。
「明日生徒会の仕事あるから、手伝ってもらっていい?」
と、LINEが来てたのだ。何故僕なのかと思った。そこまで仲が深いわけでもないのに、僕に頼む理由が分からなかった。
嬉しかったが、やはりひゅうがの存在が気になる。
もし、一緒に仕事しているところを見られるとなんと思われるか。
そこで、躊躇いが出ては消え、出ては消えを繰り返している。
だが、前にも何回か誘われていたけど次いつ誘われるかわからないしわざわざ双葉さんが、こんな僕を誘ってくれているんだ。
この機会を逃してはいけないと思い、僕は勇気を出して返信してみた。
「おけおけ!りょーかい!」
こんな少しの、メッセージを間違いとかないか嫌になるほど確認してから送った。
そして、10分後に双葉さんからLINEが来た。
「ありがとー!じゃあ、明日の放課後教室で待ってる!」
ひゅうがには申し訳ないが、僕は内心もの凄く楽しみだった。
その夜、なかなか寝付くことができなかった。明日の事を考えると、胸がドキドキして寝れないのだ。
だが,そんなことも束の間。1時に眠りについた。
授業中は、ずっと放課後のことだけを考えていた。
ひゅうがにも、
「今日お前テンション高いな」
と言われた。それはそうだ。この楽しみを隠すことなんて僕には到底できなかった。
そして、6時間目の終わりのチャイムが鳴った。
そうするとひゅうがが、僕のところに向かってきて
「今日、一緒に帰れる?」
と、聞かれた。僕は、学校でやらなければいけないことがあるからと嘘をついた。
ひゅうがは少しがっかりした表情になって僕は申し訳ないと思ったが、双葉さんのことを考えるとそんなことはすぐに忘れてしまった。
そして、放課後僕は教室に向かった。ドアの窓から双葉さんの姿が見えた。
教室の窓は空いていて、入ってくる風にうたれていた。
僕は、勇気を出して教室のドアを開けた。
「お待たせ!待った?」
と、聞いた。そうすると、双葉さんは言った。
「待ってないよ!早速だけどこの紙を綺麗に折って私に渡してくれる?」
僕は、うんと答えて作業を始めた。
だが、ずっと僕は緊張していた。こんな近くで双葉さんといるなんて信じられない。
そうすると、双葉さんが
「りょうた君は好きな人とかいないの?」
と、聞いてきた。唐突過ぎて僕は焦った。
「いきなり凄い質問だね(笑)」
お互いの笑い声が教室内に微かに響く。
「んー、いるって言っとく(笑)」
「なにそれー(笑)」
僕は、双葉さんの好きな人も気になったので聞いてみた。
「双葉さんはいないの?」
そしたら、双葉さんは少し止まってから言った。
「いるけど、叶いそうにないんだよね(笑)」
僕は、どうして?と聞き返した。
でも双葉さんは話を逸らした。なので、僕は深堀してはいけないと思い他の話題をいっぱい出した。
楽しい会話が続いた。こんな時間がずっと続けばいいのにと思っていた。
そして、教室内には笑い声が響き続けた。
だが、その時教室のドアが開いた。その方向を見てみると、そこに立っていたのはひゅうがだった。